統制されながらも続けてきた金箔の生産
中国から伝わってきたとされる箔は日本で独自に発展してきたといわれており、飛鳥、天平文化を彩る寺院建築や仏像彫刻、東大寺の大仏殿、京都の金閣寺など芸術性を高めるために使われてきました。
かつて東大寺の大仏も建立当初は塗金が施されていたのです。
金沢で金箔(金沢箔)が作られるようになったのはいつなのかというと、文献上では前田利家が豊臣秀吉による朝鮮半島での戦争の際に陣中から国元へ箔の製造を命じたと記されています。
その後江戸幕府になってから幕府は拡販に命じて貨幣の鋳造を禁止し、金銀銅を管理統制するようになります。
さらにその後、江戸と京都以外の場所での箔の生産を禁じられるようになります。
統制されていたにもかかわらず、なぜ金沢箔が有名になったのかというと密造していたからです。
統制は明治維新になるまで続いたのですが、維新後に江戸での生産が行われなくなると金沢箔は一気に全国に広まるようになり、現在でも金箔の総生産量の99%が石川県という独占状態です。
箔貼り体験は金沢でしかできない貴重な体験でもあります。
金沢では金箔貼り体験ができる老舗が多くあります。
その一つである「かなざわカタニ」では、店舗やリモートで体験できるようにしています。
国内だけでなく外国からのお客さんにも人気の体験です。
「かなざわカタニ」では金沢箔の通販も行っています。
工芸用もありますし、食用に用いる箔、美容に用いる箔も取り扱っています。